大徳寺 塔頭 瑞峯院(ずいほういん)
方丈を南北に南庭、独坐庭(どくざてい)北庭、閑眠庭(かんみんてい)がある。 この両庭園は、戦後しばらく苔だけの荒れた庭園となっており、創建当初の文献も少なく復元が困難な状態にあった。1962年、開創400年を記念して昭和の作庭家「重森三玲氏(しげもりみれい)」により大友宗麟(おおともそうりん)の思いを受け作庭された庭園である。
白砂は、波紋の模様を荒く深く描き、蓬莱山に見立てた石組みが荒波に打ち寄せられても悠々と独坐する「独坐庭(どくざてい)」
東庭のキリシタン灯籠を軸に北庭に伸びる石組みが十字架の道行きを描き、灯籠横の礎石は方丈と平行に軸を描く。二つの軸が交わる点が十字架の位置を決定し、沈黙の中に緊張感を与える。キリスト教を信仰した宗麟の思いが静かに眠る沈黙の「閑眠庭(かんみんてい)」
対照的な雰囲気を醸し出す庭園は、重森三玲氏の斬新で大胆な意匠により見事に表現され、瑞峯院の空間を豊かにする。
しかし、斬新さ故、庭園の自立性・作品性が強く表現され、庭園と建物の関係に少し距離があるように思える。異なる自立性が互いに共生し造り出される空間にこそ、禅寺が持つ魅力的な空間美があり、張りつめた緊張感はその関係距離により生み出されるものである。庭園と対峙し思惟を巡らせる事ができる余白の重要性を改めて感じた。
広縁に腰を降ろし庭園を眺めながら思惟にふけていると、「随分長く居るのですね」一人の男性が声をかけてきた。振り返ると背丈は低いが目に力がある男性が、その風格から住職だと気付き「空間に潜む豊かな意匠を読み取る為に、ゆっくりと時間をかけて見ているんです。」とスケッチを取り出した。
住職は私のスケッチを手に取って熱心に眺め「若い者が日本の文化に興味を持つ事を嬉しく思う」と笑顔で話し始めた。その後「お茶でもどう」と控えの茶席に案内されお茶を頂きながら禅宗・庭園・建築等、話は弾み素敵な時間を過ごす。
「ところで君は茶道をしているのかな」と聞かれ「以前から興味はあるのですが」と苦笑い。すると「外から建築を眺めても多くは理解出来ないよ、茶道を通し内から建築を見るともっと世界が広がるんじゃないかな。私が先生を紹介するから後日来なさい」と話す住職に、私は深く頭をさげた。
ここにまた、素敵な出会いと出来事があった。
創建:天文四年(1535年)大友宗麟が法系九十一世徹岫宗九禅師を開祖として創建。
宗派:臨済宗大徳寺派 特例
建築:方丈(禅宗方丈建築)茶室(餘慶庵・安勝軒・平成待庵)
庭園:独坐庭・閑眠庭(蓬莱形式枯山水庭園)作庭(重森三玲)
拝観 : 通常公開 9:00〜17:00 400円
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コメント
初めまして。
コトモノBLOGさんから辿ってきました。
京都の大学に籍を置いてまして、今月末と来月頭にスクーリングで京都入りの予定をしています。
2,3箇所でも観光を、と思いチェックしていたのが瑞峯院だったのでコメントさせて頂きました。
私は大分県民なので、宗麟公縁のお庭が京都にあるなんて驚いています。
こちらの記事を拝見して期待が高まりました^^
これからちょくちょくお邪魔しますので、よろしくお願いします!
PS.私のブログにリンクさせて頂きました。もしお困りでしたら削除しますので連絡ください。
事後報告ですみません。
投稿: 深憂 | 2005.07.17 15:28
最初にスケッチを見て、石が見事に並んで交差しているのでびっくりしました!! (^▽^;)
でもそれは記事を読んで納得♪ 十字架をあらわしてたんですね。
次にお写真を全部開けて、ゆっくりとまた拝見させて頂きました。
緑がすごくきれい・・静寂さも伝わり・・心地よさを感じました。
でも『ン? アツマサさんのこのきれいなお写真って・・??』
( ̄ヘ ̄)ウーン・・なんだろな。
何か言いたいmackey((o( ̄ー ̄)o)) ワクワク ムズムズ。
(o・。・o) あっ!そっか。アツマサさんのお写真は、
変な例えかもしれないですが・・
すごくきっちりと整理整頓された、とってもきれいなお部屋と一緒?!
どこに何があるのか一目でわかってしまうヾ(=^▽^=)ノ
そして、その部屋が持つ意味や機能性、本来の美しさが見られるのですね〜(^○^)
Blogの目的に合わせ、すっきりとわかりやすい美の世界を、驚くほどにバランスよく表現しているアツマサさん! (⌒▽⌒)b
mackeyはそんなふうに感じました。
あ、そうそう〜
ご住職とお知り合いになれて良かったですね=*^-^*=にこっ♪
投稿: mackey | 2005.07.18 02:34
■ 深憂さん>
はじめまして。コメント・リンクありがとうございます。
Blogを通し素敵な出会いを求める私にとって、深憂さんとの出会いを嬉しく思います。今、Blog拝見しました。
専攻は社会福祉関係ですか?私の姉も福祉を専攻し現在東京で作業療法士と臨床心理士の仕事をしています。
現在建築でも、福祉に関する知識が必要とされ「人に優しい」建築が求められています。私は福祉に関する知識が乏しく、まだまだ勉強不足です。
この良き機会に、Blogを通し勉強出来たらと思っています。
これからもよろしくお願いします。
■ mackeyさん>
mackeyさん、おはようございます。
建築・Blog・コラム・写真等、何か造り出すと絶対その人の人間性が現れますよね。「自己満足だけではなく、いかにわかりやすく、自分の感じた事を人に伝えるか」その表現にデザインがあると思います。
デザインの整理が、自分の整理だと思っています。これからも日々自分自身もっと魅力ある人間になれるよう頑張りたいと思います。
投稿: アツマサ | 2005.07.18 09:28
早速ブログへ足を運んでいただいて嬉しいです!
何だか私の通う大学が分かってらっしゃるようで(笑)
社会福祉学部に籍を置いてます^^
福祉は限りなく日常生活に密接した分野です。
特に建築関係はこれからもっと福祉との融合が進められると思います。
障害者や高齢者、みんなに優しいユニバーサル・デザインとか住宅増改築など、そうですね。
私も建築に対して興味を持ってますので、いろいろ勉強させていただきたいと思ってます。
京都へ向かう前にこちらの瑞峯院の記事とスケッチで予習するつもりです^^
これからもよろしくお願いします!
投稿: 深憂 | 2005.07.18 11:47
アツマサ様、建築家の目から見たスケッチは、画家の目から見たものと全然ちがい、客観性があるので、とても新鮮に思えます。
リンクありがとうございます。ぼくのBLOG にもリンクさせてください。
これからも更新、楽しみにしています。
投稿: 馬樹茂(Ma Shumao) | 2005.07.18 21:42
復活おめでとうございます.
隠れキリシタンの寺ですね!待ってました。
ここの住職はおしゃべり好きで、こちらが庭見てると寄ってきてずーっと説明してくれました。
なつかしいです。
投稿: buranii | 2005.07.19 23:34
■ 深憂さん>
こんにちは。こちらこそ、福祉の現場・現状を勉強したいと思っていますので、Blog楽しみにしています。よろしくです。
■ 馬樹茂(Ma Shumao)さん>
こんにちは。リンクありがとうございました。
建築家の描くスケッチも本来は空間や雰囲気を捉える為にパース的なものが多いと思います。私の場合スケッチというよりもラフな図面で描く方が自分の教科書作りには適していると思い、このような手法で描いています。
経験による空間の創造を目指し、京都の素敵な空間を紹介して行きたいと思います。これからもよろしくお願いします。
■ buranii さん>
こんにちは。以前、瑞峯院のコメントを頂いていましたので、記事投稿しました。
前田昌道住職は、熱心に拝観者に声をかけられている様子で、丁寧に説明していただけます。素敵な住職との出会い、大切にしたいですね。
投稿: アツマサ | 2005.07.20 12:45
アツマサさん、こんばんは!
ふふふ。実は私もお茶をいただきました。
とってもいい時間をいただいたなって思います。
アツマサさん、これからも京都の素晴らしさを
書いていってください。
アツマサさんが書かれる京都、
これからも楽しみにしてます!
投稿: モヨコ | 2005.07.22 01:10
アツマサさん、こんにちは。
こちらにまでリンクして頂き、ありがとうございます!
この記事の最後の住職さんの言葉が、とても心に残ります。
建築とは、ただ眺めるだけのものではない。人の営みや、人が関わる何かのための空間なのだと、改めて感じる事ができる言葉ですね。
私は工芸の世界を目指していますが、きっと同じことなのだと思います。美術品のように飾られ、眺めるだけのものよりも、人の生活に関わり、使われてこそのものだと思います。
生きた空間に、生かされる装具。そうした関係を見出していけたらいいな、と思いますね。
投稿: Metal NEKO | 2005.07.27 23:06
はじめまして。
で、結局の処、始められたのですか?
投稿: 多聞 | 2008.11.16 16:21