妙心寺 塔頭 退蔵院(たいぞういん)
黐の立木が視線を止める表門の風景。庫裡玄関へと導く延べ段が斜めに線を描き、客殿玄関へと分岐する。
奥行きを深める生垣、分岐点を示す紫竹と敷石、参道の中心を構成する黐の立木は歩みを進めると共に左に視線を誘導し客殿玄関へと導く。視線と動線のバランスが生み出す演出は私を心地よく迎えてくれる。
方丈の西側に庭園(通称:元信の庭)がある。室町時代の画聖、狩野元信の築庭とされる枯山水庭園で、方丈壇那間より鑑賞すると「生きられた襖絵」になるよう構成されていると言われる。
しかし、庭園を鑑賞するうちに私は一つの疑問を抱いた。石組みと点在する潅木は低く配され視線は下へと向けられる。方丈壇那間より覗き込まない限り、庭園を鑑賞することは出来ない。
また、方丈内部の柱や方立の位置、附書院の配置、様式の異なる開口部、西側の縁を内部に増築した後が残る。寛政の都林泉名称図会に描かれた風景には建物は描かれていない。あくまで推測の行きをでないが、増築の際に「生きられた襖絵」を演出したのではないかと思われる。
今は見る事が出来ないが、庭園の気配を内部につなぐ広縁に腰を下ろし、元信の庭を眺めた時、庭園は「生きられた庭園」になる。
知識では見えてこない「生きられた庭園」に思いを寄せて、水琴窟の音色を聴きに余香苑へと向かった。
マイフォト:060512_妙心寺 塔頭 退蔵院(その他の写真)
マイスケッチ:050000_スケッチ(その他のスケッチ)
創建:応永十一年(1404年)波多野出雲守重通が妙心寺第三世無因宗因禅師に帰依して創建。
応仁の乱炎上後、亀年禅愉禅師によって再建。
宗派:臨済宗妙心寺派
建築:方丈(禅宗方丈建築)隠れ茶室(囲の席)
庭園:元信の庭(枯山水庭園)作庭:狩野元信・余香苑(池泉回遊式)作庭:中根金作
拝観 : 通常公開 9:00〜17:00 500円
関連人物 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
狩野元信(かのう もとのぶ)
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